第1話 婚約破棄

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 父と母は、私を助けようとは思わなかったようでした。  もともと、両親の愛情は兄に注がれていましたし、当然のことと言えます。  父の後を継ぐ、兄さえいればいいのでしょう。  私が王妃になれば、それはそれで利用したでしょうが、父の将来設計の中でさほど重要でなかったに違いありません。  父は、女を信用しておりませんし。  王子から婚約破棄を突き付けられてすぐ、私はビングリー家ではなくなっておりました。  家族の情よりも、家柄を優先する。  さすがですわ、お父様。  いえ、家族の情すら初めからなかったのかもしれませんけれど。
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