第2話 隠された扉

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第2話 隠された扉

 塔は王都の外れ、周囲には荒れ果てた大地の広がる場所にありました、  元より罪人を閉じ込めておくための塔だったようで、入り口の扉は登録された魔力の持ち主しか開けられないようになっています。  私は(かせ)を外され、塔の中へと入れられました。  目の前で鉄の扉が閉まり、魔力を感じたかと思うと見る間に消えてしまいます。  扉のあった位置には、今はもう壁しかありません。  塔の内部には宝箱のような木箱が置いてあり、その魔道具を介して一ヶ月に一度、食料が届くそうです。  開けて見てみると、大量のパンが入っています。  パンだけで暮らせというのでしょうか。  まぁ、あるだけありがたいのですが。
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