101人が本棚に入れています
本棚に追加
とりあえず、身を清めましょう。
木箱とは反対側に井戸がありました。
自分で水を汲んだことなどありませんが、やらなければ汚いままなのです。
私は袖をまくり、縄を掴みました。
汲み上げた水は、想像していたよりも綺麗でした。
井戸に立てかけてある大きな桶をその水で掃除し、それからまた水を汲んで桶に溜めます。
塔の内部は外界と完全に隔離されているそうで、魔術の使用は特に禁じられませんでした。
私が水を温めようと手のひらに魔力を集めると、それに呼応するように壁が光ります。
どうやら塔に対してなにか魔術を使ったとしても、それを全て吸収してしまうような術式が刻まれているようです。
別にそんなことをするつもりはないので、問題はありません。
私は溜めた水に手を突っ込み、お湯にします。
適当な温度になったところで、私は服を脱ぎ、身を清めました。
恥ずかしいなどと言っている場合ではありませんし、塔には私しかいないので、これも問題はありません。えぇ。
最初のコメントを投稿しよう!