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「そんなことがあったんだ。僕は今まで友達とか作らずに、
1人で音楽に没頭してきたからそういう気持ちをあんまわかんないけど、
唄夏の立場になって話を聞いてたら、つらかったんだろうなっていうのは
わかった。話してくれてありがとう。」
「私さ、櫻華以外仲良い友達いなかったから櫻華がいなくなってから、
ずっと1人で音楽のこと忘れてたの。音楽を思い出させてくれてありがとう。
あと昔、作詞作曲したやつがあってずっと歌いたかったの。
櫻華のために作った曲。」
「唄夏が音楽を思い出してくれてよかった。一緒に歌おう。」
「うん!」
唄夏のまっすぐな瞳とあの笑顔は、
言葉には表せない不思議な美しさがあった。
そして、唄夏の作詞作曲した歌を歌った。親友への想いを込めた歌詞だった。
''ひだまりの心を歌うその眼は楽しさを秘めていた''という歌詞があった。
それはこの曲を作り、今ここで歌う唄夏の姿とも重ねることができた。
歌い切った唄夏は涙を零して空を見上げていた。
親友のいるあの場所を見ているような、そんな瞳だった。
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