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仙太郎が一葉に追いつくと一葉は立ち止まり振り向く
「何?仙太郎も知っていた?」
「ああ、知っていたよ」
「だまされてバカなやつって思ってる?」
「まさか、ただあいつはやめた方が良いって思っていた」
「仙太郎がそれを言う?」
「あの時ちゃんと言い訳を聞いてもらえなかった」
「別に言い訳はいい、結局男とは無理だったってことでしょ」
「ちがう!!」
「今だって、女と付き合っているじゃん」
「別に一葉じゃなきゃ誰でもいいし、勃ないから誰かと付き合う気もなかったけど、それでもって強く言われて付き合った」
「勃たない?まさか、まぁいいや、頼まれれば誰とでもエッチするってこと」
「だからあの日以来、勃ないんだ」
「僕をバカにしてる?」
自然と涙が頬を伝っていく一葉を仙太郎は抱きしめた。
「あれから引っ越ししてスマホの番号も変えただろう?ずっと会いたかった。ちゃんと誤解をといてやりなおしたかった」
「一葉の部屋に行っていい?」
人のことは言えないかも、
こんなふうに抱きしめられたら、仙太郎への気持ちのカケラが反応してしまう。
一葉は仙太郎の腕の中でコクリとうなずいた。
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