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嘘のデート
すこし冷静になろうと思い、申し出を受けて水族館にいくことにした。都市型の水族館で夜のデートにもってこいな場所だった。
バイだとしても、今は僕を愛してくれている。こんな風にデートにも誘ってくれる。
二人で大きな水槽を見ていると、未花と仙太郎がやってきた。
「どういうこと、僕は会いたくないと言ったよね」
「誤解を解きたかった、二人の仲のよい所をみたらオレとは関係無いと思ってもらえると思ったんだ」
「結局は信彦の自己満足だよね、僕の気持ちはこれっぽっちも考えてくれなかったってことか」
「もうやめよう、僕は信彦についていけない」
最善だと思っていたことがまた一葉を怒らせてしまった。
一葉と付き合って今まで一葉が怒るところを見たことがなかった、それだけこの行動が失敗だったと感じずにはいられない。
立ち去る一葉を追いかけようとしている信彦を見て、仙太郎が未花の肩を叩いてから一葉を追いかける。
未花は信彦の腕を掴んだ。
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