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「カビ、雑な扱いして悪かったな」 少し悲しげな顔をして、食パンを袋からだして公園の木の根元にそっと置いた。 これから生まれてくる生命のことを考えて。 「あっ、食パン」 雅信は何かを忘れた、ということすら忘れていた。 気づけば公園から直帰していた。 それだけ考え込んでいたのかもしれない。 「まっ、いっか」 独り言を呟き、冷蔵庫を開けた。 「うわっ」 見落としていたのだろうか。 豚肉にもカビが生えていた。
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