0人が本棚に入れています
本棚に追加
「カビ、雑な扱いして悪かったな」
少し悲しげな顔をして、食パンを袋からだして公園の木の根元にそっと置いた。
これから生まれてくる生命のことを考えて。
「あっ、食パン」
雅信は何かを忘れた、ということすら忘れていた。
気づけば公園から直帰していた。
それだけ考え込んでいたのかもしれない。
「まっ、いっか」
独り言を呟き、冷蔵庫を開けた。
「うわっ」
見落としていたのだろうか。
豚肉にもカビが生えていた。
最初のコメントを投稿しよう!