犬系彼氏

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――二週間前のこと。  彼の誕生日。昼間のうちに忍び込んでパーティーの用意をしようと、合鍵で入った彼の部屋。  玄関には、見慣れぬ赤いハイヒールが彼のスニーカーの横に揃えられていた。  私が絶対に履かないようなアンクルストラップつきの華奢なヒールに嫌な予感が走る。  物音一つしない彼の1DK、玄関前のキッチンに静かに荷物を置いて。  開けたドアの先は遮光カーテンが引いてあり、昼間だというのに薄暗い。  やっと目が慣れた私が見たものは――。
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