23人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
属性?
古くから農業で栄え、近年は情報技術で躍進するアズリック王国の中でも、王都から遠く離れた懐かしさを感じさせる小さな町、シュートンにマントを被った旅人が歩いていた。
(……魔物の気配がする。)
旅人は数キロ離れた位置に魔物の気配を感じた。
魔物にはそれぞれランクがある。
下級魔物であれば町にある自警団と呼ばれる特安隊には及ばない魔導士でも、力を合わせれば倒すことはできる。
だが、旅人が感じた魔物の気配は、下級とは思えなかった。
(……特安隊に救援は出したのか?)
もし下級以上の魔物が現れた時は、自警団から特安隊へ救援要請を送ることになっている。
(……何を心配してるんだ。俺はもうあそこの人間ではないだろ。)
それでも彼は魔物の気配のする方へ向かっていた。
最初のコメントを投稿しよう!