凍える ~冷たい吐息~

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「あれ?」  その中には、俺が落合さんから見せて貰った写真が含まれていた。  写り方の角度によって隣の男性と親しげに見えるような物が選ばれていた。  もちろん、失踪前に撮影されている。  落合さんは、と言っていたはずだ。  落合さんは、何故こんなウソを俺についたのか?  香苗の御両親に写真を渡したら、落合さんが俺にウソをついているのがバレるから送ってこなかったのか?  俺にウソをつく意味は?  その必要性は?  俺は思い付く限りのパターンを考え突き詰めていった。  俺は、落合さんにラインを入れ、週末食事に誘った。  今回は、いつもの居酒屋ではなく、女性が好みそうなイタリアンバルだ。  光沢のある木目調のドアを開け、名前を告げると既に落合さんは店にきているようだ。店員に案内された席は夜景のキレイな半月型の席で、カップルで並んで座るように設計されているようだ。  落合さんは、振り返ると明るい笑顔を向け、小さく手を上げ俺に合図をした。 「ごめん、俺から誘ったのに待たせたみたいだね」 「私もさっき着いたばかりなの。青柳君から誘ってくれて嬉しいわ」  艶の含んだ目つきで、俺の事を見つめる。
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