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甘い、甘々の晩餐会
「おや、甘い匂いがすると思ったら?」
「今日はValentineですわ、貴方」
両親はいつも突然帰国する。
前ぶり無しが、日常だ。
「前からこんなデカいので、やってみたかったんだ」
そう言って、チョコの山を機械にぶち込む。
タワー型の噴水の様にチョコが噴き出す奴だ。
発注して即日配達は、有難い。
ばあやがフォンデュ用に用意した果物を持って入って来た。
「あらあら、高級チョコも惜しげも無く入れるのですか?」
「でも。ケーキとクッキーはお入れ出来ませんね」
その声に母が言った。
「あら、これはMidnightbull [ミットナイト ブル-] のLapislazuli [ラピス ラズリ] だわ」
「若い頃、良くお前に貰ったな」
「ではこれは、私から」
「ごめんなさいね。忙しくて並ぶ時間が無くて。あそこは先着順で限定30個。
予約も郵送も、出来ませんの…」
チョコケーキを間に立つ両親。
なぜ、急にLOVEモードなんだ?
しかも、子供の前で平気でキスするから、やってられん。
俺、慣れたけど( ̄▽ ̄;)
「あら、あなた。お口にフォンデュのチョコが」
「はい。子供は見ちゃ駄目( 一一)」
俺は光の眼を両手で抑えた。
「わ、翔兄!何も見えない」
母が父のチョコを舐め取った。
エロイ。
「…これで浮気癖がなければ、ね」
ため息混じりの小声も、エロイ。
「あれはお前が居なくて。婚約前だ」
「…あてがったとでも?」
「だから声楽じゃなく、ピアノを進めたんだ!いつも居られるから」
「…まぁ、女癖でなくて?」
「ああ( ̄▽ ̄;)、光の耳も、塞ぎたい」
「ちょっと翔兄?何なの!」
「晃!光の耳も塞げ。…?アキ…」
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