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午前の授業が終わり、昼休みのチャイムが鳴ると同時に、ランチボックスを手に取り、足早に教室から出る。
やっと昼休みだ。
やっと一人になれる。
今日は6限までだから、あと2時間…
2時間頑張れば、やっと私が、私らしくなれる時間になる。
そう思うことで、苦痛の2時間をやり過ごそうとするのは、いつもの事。
中庭のベンチに座り、ランチボックスからお弁当箱を出し、膝の上に置いて蓋を開ける。
よし!彩りOK!
誰に見せる訳でもないけれど、自分で作ったお弁当に小さく笑みを零す。
好きな物だけに偏らず、彩りのバランスや栄養面も考えて、毎日自分で作る。
作りたがる母より先に起きて、作るのが毎日の日課になってしまった。
将来は、食の道に進みたい。
料理研究家の、母の影響は勿論あるけれど、母とはまた違う食の道に…
そう考えるようになったのは、いつ頃だっただろう。
「頂きます」
合掌してから箸を持ち、鳥の照り焼きを頬張る。
うん!美味しい!
まだ肌寒い季節に、外でお昼する人なんて私位だから、周りに人は居ない。
苦痛でしかない時間から解放されて、一時の安らぎとも言えるこの時間は、学校生活の中で、私にとって一番大切な時間…と言っても過言ではない。
静かで良いなぁ。
…と、心の中で思っていた途端、人の話し声が聞こえて来て、校舎の壁側に2つの影が見えた。
……何で、ここで話すのよっ!
他所でやってよね!
「はぁー…」
一番大事な時間を邪魔された私は、深い溜め息を付いた。
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