2章

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「……ん」 日差しが落ちて、薄暗くなった部屋。 見慣れない天井と壁の色に、少しの違和感を感じても、未だぼーっとする意識。 あれ……? ここどこだっけ…… 何でこんなにダンボールばっかり……って!? 一気に覚醒した私は、がばっとベットから起き上がる。 え、えっ!?えーーーーっ!? 私寝ちゃったのっ!? ちょっと体を横にしたかっただけなのに! まさか本気寝してしまったとは…… 片付けも全然進んでない。 学校の後はバイトだし、バイト終わってから少しずつやったとしても、数週間はかかるかもしれない。 自分のまいた種……というか自業自得なのだが。 「はぁーーーー……」 盛大に溜め息を着き、ふと何か忘れていることに気付く。 そういえば、琉生が飲み物買いに行くって言いに来てた……よね? 近くのコンビニって言ってた。 ……てことは、買い物と行き帰りの往復で30分も掛からないとして、私が寝ていた間に帰って来てる。 ふとドアの前に置いてあるペットボトルが目に入る。 ……ミルクティーとレモンティーとストレートティーの無糖と加糖。 それからハムレタスのサンドイッチ。 ……買ってき過ぎじゃない? そっか、私なんの紅茶か言わなかったから。 悩んだ挙句、味の違うものを買ってきてくれた。 更には頼んでいないサンドイッチまで。 お腹空いてるかもって思って買って来てくれたのね。 それが琉生の優しさで、心配りが出来る人なのだと思うと少し微笑ましく、少し嬉しくもある……がっ、ちょっと待って! 琉生が買ってきてくれた紅茶がここにあるってことは……琉生はこの部屋に入ったってことで、寝てる私を見た……ってことじゃない! それに気付いて温かい気持ちから一変し、一気に冷や汗が流れる。
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