2章

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寝る気がなかったから、眼鏡掛けたまま横になったのは覚えてる。 でも今私眼鏡掛けてない。 眼鏡の在処を探すように視線をベットの上に向けると、枕元に眼鏡はあった。 寝てる間に自分で外したのかもしれない。 それは……いつ? 琉生がこの部屋に来る前?後? もし素顔を見られていたとしたら、一昨日バイトの時の私だって、気付かれた筈…… ど、どうしよう!! 隠し通すって決めたのに、こんな初っ端からやらかすなんてっ!! いやでもっ! もしかしたら、見られてない可能性だってゼロじゃない! もし琉生が気付いたなら、絶対に何か言って来る。 そ、その時は……言い逃れ出来ないかもだけど、何も言って来なければ、見られてないってことだもの。 同級生の誰とも深く関わりたくない。 そう思うことを、変えるつもりはないし、今更変えられない。 ただ……琉生とは断ち切れない縁が出来てしまった。 自分から積極的に関わることは出来なくても、家族となったからには、最低限度の関わりは必要。 それは……分かってる。 素の私を見られたとしても、それについては深く詮索はされたくない。 「ふーーーー……」 深く息を吐き出し、気持ちを落ち着かす。 今ここで一人で悶々と考え込んでも、何の意味もなさない。 見られていないことを、祈るっ! 琉生の出方を見るしかない。 とりあえず、片付け再開しよう。 その前に…… ベットから起き、ドアの前に置かた飲み物に手を伸ばし拾い集め机に置く。 その中で一番好きなレモンティーのキャップを開け、乾いた喉を潤し、サンドイッチにかぶりつく。 お腹も満たされたし、さて!頑張りますか! 気持ちを切り替えて、片付けを再開した私。 余計なことを考える間を与えないように、ただ黙々と手を動かし続けたのでした。
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