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私はこの絵を、自分に投影しているのかもしれない。
輝く世界に出たいのに、壊すことができずに踏みとどまっている。
安定を望むのは、悪いことじゃない。
むしろ、いい事なんじゃないかな。
だけど安定な道を選ぶ度に「ここには居たくない」と心が苦しくなってしまう。
私が生きていきたいのは、この道なのか?
私が幸せだと思える道は、これで合ってるのか?
本当は、この世界を粉々に砕いてしまいんじゃないの?
そんな思いがグルグルと私の中を駆け巡る。
どれくらい、見ていただろう。
自問自答しながら、ひたすら絵を眺めて、向き合っていた。
「いつも、この絵を見てますよね」
────え?
いつの間にか隣には、さっきの男性がまた並ぶように立っていた。
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