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プロローグ
この世界では、戦争を何度もしていた。人間、魔人、獣人……主にこの三つの種族が年中行事のように、定期的にしていた。
他にも種族はいるが、人龍は隠れているし、精霊は見ることができないため、戦争にかかわろうとしない。
そんな中、戦争を終わらせようとした人間が勇者を召還した。その召還に手を貸した二人の姫は儀式後に息を引き取った。王は、二人の娘を犠牲にした。
その時召還された勇者は一人の少年……そして、誤って召還されたその弟だった。少年は十五歳、弟はわずか、五歳であったそうだ。
少年の名を、シンク・モチヅキといった。
シンクの才能は恐ろしかった。わずか三か月で魔術師なみの魔法を操れた。それも全属性である。
そしてわずか半年後には、この人間の中でかなうものはいなくなっていた。
ついにシンクが戦争に赴いた。
魔人と獣人は驚いた。シンクの力は膨大で、たった一人に屈しかけた。
もう少しで人間が勝つ、というとき。事件は起こった。シンクが死んだのだ。胸を一突きだったそうだ。
ソレハ魔族ノ手柄デアッタ。
人間は、仕方なく、村人や商人をお構いなしに戦場に出した。数では圧倒的に人間が勝っていたが所詮は非戦闘員。なかなか思うようにいかず、そのうち若者は減った。
一方で魔族ハ伝統的な技術、技ヲ使ッテその力を伸バシテイタ。
人間は降伏しようか迷っていた。その時、一人の男が現れた。名を『アオバ』と名乗った。
アオバの力は壮大だった。山をひと吹きで消し去り、魔族を虫けらを殺すように倒していった。彼はこう呼ばれた。『戦場のバケモノ』と。
シカシ結末ハ意外ナ方向ヘト進ンダ。
この戦争は、今からチョウド十年前に魔族が勝利を収メタ。
その後、人間、獣族ハ奴隷として扱ワレルヨウニナッタ。
世界ハ平和トナッタノダ。
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