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「じゃあ、2人で今週にでもお願いします。ちなみに、男の子が3人、女の子が5人ですので。」
「了解です。篠崎さんはいつがいいですか? もし早い方がいいんだったら、今週末はいかがでしょうか? 」
「えと……。はい。土曜日は都合が悪いので日曜日だったら大丈夫です。」
華子は遠慮がちに返事をした。鈴木は普段何をしている人なのだろう?この子供教室にしたって、普通の男性ならば働いたりしているはずなのに仕事はどうしてるんだろう?
華子は不思議に思ったのだった。
「じゃあ、決まりね! よろしくお願いしますよ、お二人さん。」
森田に上手く手のひらに乗せられた感があったが、華子は笑ってとりあえず引き受けることにしたのだった…。
その後、児童を迎えるためにみんなで準備をする。棚の中を見て筆記用具や折り紙、ノートや厚紙などの在庫がどれくらいあるか数えた。そして、長机を囲むように繋げて工作ができる場所にする。ビニールシートをだしてレゴの大きな箱も置いた。
◇◇◇◇
夕方まえになると子供たちがスクールバスから次々と降りてやってきた。
まず第1便は、低学年層だ。
明るい声音たちを響かせながら市民センターの長い廊下をドタドタと歩いてくる音がした。
「いっちばーん! 」
ヘルメットを斜めに傾いたまま走り込んできた男の子が大声を出した。
「あー!ずるーいっ! 私のこと手でおしのけたでしょー! 」
2番目に来たのは髪の毛の長い女の子。
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