立春

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ここでのサポーターさんたちもほとんどLINEをしていて、そこに年の差は関係ない。 「ひょっとして、ガラケー派ですか? 」 華子は、遠慮がちに訊いてみたのだった。 「いえいえ。普通のスマホですよ。ただ、LINEとかTwitterって僕しんどくて。」 「へー。そうなんですか。」 適当に流しておいたがとても不思議な華子であった。  その後、18時まで子供たちは遊んでお片付けも終わり、ほとんどの親がお迎えにきた。 「あ、森田さん。来月の参加表って配りましたっけ? 」 もう今月の半ばをまわっているので、早い目に翌月の利用予定を聞いておかなければならない。 「そうだ。よく言ってくれたわ。篠崎さん。次の時には渡さないとね。」 たまに年寄りは忘れてしまうからいけない。 「ね、これ、来月からあなたにお願いしてもいいかしら? 」 またもやひょんな事を頼んできた森田。 「え? 私がですか? 」 「そう。歳とると物忘れが多くてねぇ。お願いできると助かるんだけど。」 上手いこと言うなあ、と感心しつつも断れない性格の華子はその仕事を引き受けたのだった。 なんだかんだでここのボランティアの仕事が増えていってるような気がする……それはとても有難いことなのだろうけど。 「さて、最後の一人も帰ったから私達も帰りましょうか。」  森田と鈴木はカーテンを締めた。暖房も消して徳宗さんはセンターの館長さんに報告に行った。いつも終わるとささっと皆が同時に動く。 これぞ当たり前だと思った。 華子は今から帰る家を思うと気が重くなるのだった。  きっとまた鉄男は、大きなボリュームでテレビを観ているに違いない。 いつも観るのは、決まっている。 時代劇か野球か駅伝。そしてニュースだ。 ……平日のこの時間はいつも時代劇だな。 どうしてあんな決まりきったものを毎回観て楽しいんだろう?  空が暗くなりかけた頃、みんな挨拶をして車に乗りこみ帰宅したのであった……。
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