99人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
序
┈┈┈彰男が、しんだ。
小春日和の中、
輝きながら真っすぐに生きていた
主人が死んだ。
四十九日を過ぎ
遺されたのは、
舅である鉄男との生活だった。
篠崎 華子は、
この鉄男のことが大嫌いだった。
姑に先立たれ、
自分のことがひとつも出来ないこいつは、
立派な粗大ゴミ同様だった。
けれど、
忘れられない約束があった。
亡き主人が死ぬ間際に頼んだ一言。
「おとうを頼むな。はな。」
最初のコメントを投稿しよう!