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俺のバレンタインディ レッド赤坂大河編(と言いつつ稔視点)
長男:赤坂大河 苦労人? 27歳
次男:龍我17歳
三男:彪我15歳
<2月14日(日)19時ごろ>
「わぁ、稔さん、お久しぶりです!」
「相変わらず、かわ、カッコいいですね!」
「三兄弟水入らずのところ、俺なんかがお邪魔して良かったのかなぁ?」
「ばーか! 俺が良いって言ってんだから、良いんだよっ 遠慮するな」
「そーだよ。大河兄ぃの奢りだよ! 目一杯食わないと損だよ!」
「彪我くんも大きくなったなぁ、もう俺と同じぐらいじゃない? 次会うときは抜かれてるな」
「へっへ、もう俺、10年生だぜ〜。腹だってシックスパック〜。バク宙もできんだぜ! もうヒーローなるしかないでショ?」
「ばーか、お前は大学行くんだよ! 」
「へ〜い」
「そう言えば、龍我くんは来年受験?」
「うん、日本の大学にするか、アメリカの大学にするか迷ってるんだよね」
「俺の弟たちは出来が良いんだ」
自慢気に大河が言う。
「大河兄ぃ、それプレゼント?」
彪我が大河の腕に巻かれた腕時計に気がついた。
「兄ぃ、そのネックレスも新しくない?」
龍我も突っ込んで行く。
「ちっ、目ざとい奴らだな」
「うわーっさすが大河だね! モテモテだ」
「ばーか、そんなこと関心してねーで、注文しろよ!」
「「おお!」」
「俺、タン塩! カルビ!」
「ハラミ! 壺入り! 壺入りカルビ!」
「ほら、稔も遠慮すんな!」
「稔さんはキムチにカルビとサンチェだよね?」
「あっ! 俺、飯、飯! 大盛り!」
「俺も!」
大河が安くない焼肉屋でどんどん注文していき、ジュージューといい音といい匂い、そして何より三兄弟の仲の良さからくる軽快な会話が俺をグラス一杯のビールで凄く気持ちよくして行く。
大河のスマホが度々鳴って、流石に無視できず、野球帽と大き目の伊達メガネをかけて店の外に出ていった。
「龍兄ぃ、ありゃどの女だ? 時計か? ネックレスか?」
「いや、ベルトだろ。ロード・キャメロット」
「なるほど、ね……、欲しがってたなぁ。そういえば、 稔さん、チョコどうだった?」
「え? 俺はプレサンの中でも一番少ないからなぁ」
「また、また〜、誤魔化さないで下さいよ。本命チョコどうだったんですか?」
「え?! 稔さん、恋人いるの?」
「うわっ聞きにくいこと、ズバッと聞くなぁ、参ったなぁ、ははは」
「ちょっと興味ありますね。どうなんですか?」
龍我、彪我兄弟がキラキラした目で、 稔の答えを待っている。
「はーぁ、参ったなぁ、未だにいないんだよね、ははは」
『『よしっ!』』
「ん? なんか言った?」
「「いえいえ」」
「ほんと、周りの奴らは見る目がないんだなぁって、な?」
「うんうん、そーだよ」
「なんだよ〜、その目は可哀想な俺を見る目じゃないなぁ。大河もだけど、龍我くんも彪我くんもカッコいいからなぁスゴイよな、三兄弟全員イケメンなんて、ズルいよ」
「大河兄ぃのこと、カッコいいって思ってる?」
「もちろんだよ!」
「ドキドキしたりする?」
「え? んー、時々?」
『『よし!』』
「抱かれてもイイぐらい?」
「え? 俺、男だよ? あっ、男でもドキドキさせるぐらいセクシーだと思うことあるよ!」
「「……」」
二人が妙な顔つきで、見合っている。どうしたんだろ? そんなに変なこと言ったかな?
「悪いな、ヤボ用が入っちまった」
大河がスマホを弄りながら不機嫌そうに帰ってきた。
「兄ぃ、稔さんはちゃんと仕事先まで送るから安心してよ!」
「あ? おう! 頼んだぞ。迷子になりやすいからなぁコイツ」
「うんうん、大河兄ぃ、まかせといて!」
「えー? 俺ってそんなに信用ないの?」
大河は何かと弟たちに腹一杯の焼き肉をしかも美味いお店で食わせたいらしく、食べに連れていくのだが、結構な頻度で自分も誘ってくれる。
プレサンのデビュー準備時の金銭的な余裕のない時をお互いに知っているからだろう。
もう、自分でもそれなりのお店に行けるようになっているのだが、意外と面倒見の良い大河らしいことだと思う。
大河が呼んだタクシーに龍我くんと彪我くんと一緒に乗り込んだ。
なぜか、いつも赤坂家のこの二人か、大河を交えた三人に送ってもらっている。
たった一度、迷っただけなのに。
本日も俺の最後の仕事場であるラジオ局まで回り道してくれた。
「ありがとう! 本当にタクシー代払わなくていいの?」
「もちろん! 稔さんに出させたら、僕たちが兄ぃに怒られるよ!」
「そーそー! 稔さん、今日はすごく楽しかったよ! また、近いうちにご飯食べに行こう!」
「じゃ、次は俺の奢りで行こう! 大河にも思いっきり食べてもらおう! ね?!」
「…うわっ、ぐぅ、かわっ、「うってん、ねん」」
「?? 気を付けて帰ってよ!」
「「はい!」」
*ロード・キャメロットのベルト 50万ぐらいです^^;
ちょっと変身ベルトっぽい?
*赤坂家の事情は『失職寸前アイドル…』の🌟特典『レッド赤坂大河』に書いていますが、大河が大黒柱です。
そのモデルについては『HBより2B』2月3日と6日にちょこっと書いていたりします。ただ、暗いんでご無理なさいませんように。
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