満月を抱いて

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 付き合っている時に里奈に拒まれて以来、フェラなんて何年振りか。挿入とは違う快感に、しかもそんなことをしそうには見えない年上の、冷静沈着で近寄りがたい空気を纏った黒髪美人にもたらされる快感であることに、思考が停止する。  ヌチヌチと淫猥な音と共にもたらされる絶頂までのカウントダウン。  このまま、彼女の唇から己の精が溢れる様を見たい衝動と、彼女の胎内の奥深くに注ぎたい欲望と、その後に待ち構える後悔や気まずさなんかが脳内に渦巻く。 「で……るっ――!」  背筋が痺れ、身震いすると同時に、俺は彼女の肩を押し離した。  満月が半裸で、柔らかな絨毯の上に尻をついた。  温かな満月の口内から放り出されたオレは、瞬時にギュッと身を強張らせ、勢いよく発射した。  その瞬間に両手でオレの口を覆うことに成功し、彼女の口も部屋の絨毯も汚さずに済んだ。 「出しても良かったのに」  肩で息をする俺に、満月が言った。  その、飄々とした物言いに、何だか胸の奥がチリッと焼けるような痛みを感じた。 「次は……出す」  俺は大きく息を吸い込み、ベッドサイドのティッシュを引き抜き、手を拭いた。それでも、ベトベトする。 「次……」と、満月が呟いた。  俺は洗面所で手を洗い、彼女の元に戻った。  満月は俺が破いたストッキングを脱ごうと、悪戦苦闘していた。
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