二章

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二章

「おい!明日までの書類はまだ出来てないのか?」 会社に着くなり上司の北村に嫌味を言われる。   「今からやりますから」 そういうと、上司の北村はため息をついて俺に背を向けて去っていった。 昨日の余韻に浸る暇もなく、現実に一気に引き戻される。 今職場に着いた俺に向かっての第一声がそれかよと内心は思っていたが、それを口にしてしまったら俺はこの職場には居られなくなる。 いやしかし、おかしな点は幾つもある。 むしろ俺は営業なんですけど? 書類ばっかり制作してられないんですけど? 俺が北村に気に入られていないのはわかっている。 しかしだよ!酷すぎないか? 新しい再出発も悪くはないが、今更再就職をしてもすぐに見つかるはずがない。 雇われてる以上は我慢するしかない……。 世知辛い世の中だぜ。 そんな事を頭で考えながらも北村に言われた通りに書類の制作に取り掛かった。 ーーガコンッ 俺は何とか書類制作を終えて、一息つくために自販機で飲み物を買いにきた。 俺の職場の二階の角にある小さな自販機に売っている"コカ・コーリ" 俺はこれがすごく好きだ。 乾いた喉に炭酸が染みる。 いや、この場合はやっぱりコーヒーだろ! なんて思う人がいるかもしれないが一言言わせてくれ……。 【コカ・コーリしか勝たん!!】 「何してるんですか?」 背後からいきなり声をかけられた俺は、動揺しながらも振り返るとそこには彼女が立っていた。 「お、お疲れ!枢木も休憩か?」 「まぁそんなとこです!ちなみに先輩、コーヒーしか勝たんですよ!」 そんな彼女の手元を見ると、大事そうにコーヒーを握りしめている。
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