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さて、敵を倒すに渡って、桃と私では少々装備不安があります。爺は私達は仲間を集めることにいたしました。
まず一人目はネットオークションで私と最後の最後まで競り合った『強肩チワワ』狂犬ではございません。甲子園に出場し、決勝の８回の裏まで単独で投げきったことを讃えたその名前。後少しだったのにと言われると脊髄反射で噛んでしまうとか。
そして二人目『猿渡さん』これは桃がよく聞いているASMRの投稿主。瀬戸内海にある、人口1.5人の島歯ぎしり島からのご来日。陸酔いを治すために歯磨きをを飲んでいる模様。
三人目は『人生見切り発車』令和に現れし、暴走族「怒玲味華丼」の総長にして、会計を務める強者。今日も裏地に青い猫型ロボットの刺繍を見せびらかしていらっしゃいます。
さて爺はどうするかというと、あいつは病院に入院したので参加は不可能です。病名はかっぱカニせん。「やめられないとまらない」という遺言をのこして連れて行かれました。差し入れにアンハッピーターンを持っていこうかなと思う今日このごろの麗らかな午後。
「これで、メンツは揃ったな。明日から敵を倒しに行こう。」
ファミレスで桃が威張って一言。それに対して、強肩チワワはドリンクバーでジュースを混ぜながら頷き、猿渡さんがカスタネットを叩き、人生見切り発車が日替わりスープを飲み込みました。方向性は統一して欲しいと思いつつ、桃の茎に伝票をそっと結びつけます。こいつはSNSの動画に高評価が押された時に青色に画面を塗る内職をしているので稼いでいるハズ。
それに気がついてか、真剣な表情で桃が私に問いかけました。
「敬意を持つべき婆婆。一つ気になることがある。」
「なんだい。家の遺産は1億24・5ドンかないよ。」
「通貨の単位がベトナムなのはどういうことなんだよ。そうじゃねえ。婆婆の名前ってなんだ。」
「私かい？正美だよ。」
「案外普通なんだな。」
「名字がキプチャク＝ハン＝メロディング」
「高校の世界史で習うカタカナの詰め合わせみたいな名字だな。」
失礼な。これでも13年続く名家ですのに。
☆因みに『人生見切り発車』は作者の母に作者がつけられたあだ名の一つ。
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