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翌朝7時。集合人数一人。桃が眩しい太陽を全身に受け、こんがりと焼ける甘い香りが漂っているらしく、先程から桃にカラスが集っています。
一方私は待っている桃を観察できるカフェで、アンパンと牛乳をシェイクして飲み込むところ。
暫く眺めていると、桃とカラスがストリートダンスバトルを開始。円になって桃の頭上をぐるぐると回るカラスに対して、コサックダンスで桃は応戦したようです。そこに近寄り難そうな顔をして、手押しベビーカーに乗った『人生見切り発車』仲間の暴走族はキックボードや弾むぬいぐるみやホッピングに乗って颯爽と登場されました。全員ガソリンを使わないとはなんとエコシステムを理解していることかと感激。
それから3時間後に強肩チワワが真っ赤に染まった肩で登場。赤い液体なので道が汚れて汚いと思います。(頭痛が痛いの類語)
「おい婆婆ちゃんさんよ。そこにいるんだろ。」
「いないね。」
「声聞こえてるのにか。」
「馬鹿にしないでほしいね。幻聴くらい聞こえさせないで婆婆が名乗れるとでも?」
カタカタ。
隣でカスタネットが鳴る。
いつのまに隣にいたんだ猿渡さん。
なにはともあれ、ナニワに泊まれ。
新宿歌舞伎揚げ町到着。ニュータウンなペパロニの香りが漂う素敵な街。名物は醤油小皿と人工雪。ゆるきゃらグランプリで21位を獲得した「ちょまっちゃん」はここ出身でございます。一つ賢くなれましたね。
わくわくとした空気の中、猿渡さんがカスタネットを連打。
うるさいので強肩チワワが噛み付きがくりと口で言って倒れたので、人生見切り発車が静かに唱えました。
「神よ!仏よ!地蔵よ!アーメン」
宗教混在型の祈りが通じたのか、猿渡さん復活。
カスタネットはどうやらモールス信号だったようでして。
「この戦いの褒賞はなんだ。前払いで頼む」
解読すると、意外にがめつい猿渡さん。桃は頭を悩ませました。
「銀のエンジェル一人四枚。これでどうだ。」
猿渡さん大歓喜。強肩チワワは興味がないということで、みかん鍋セットを差し上げます。人生見切り発車は青春18きっぷをもらってご満悦。
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