冬場の体育マラソン多い

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冬場の体育マラソン多い

 全員揃ったところで、現場に向かうために乳母(ウヴァ)何時(イツ)ーの自転車に乗り込みます。自転車の操縦者は強肩チワワ。下半身が弱いことを気にしていたのでこれで改良されるはず。 「ところで9と4分の3番街ってどこにあるんだろうね。」 「地図にはこの先にGo straight Turn right×4 って書いてあるからおそらくずっと直進だ。安心しろ。」 桃が難しい顔で地図を読み込んでいますが、それはメルカトル図法の地図ですが問題ないのでしょうか?走っている途中に投げられたトマトと生卵を混ぜながらしばらく走っていると、交通渋滞に巻き込まれました。理由はマラソン大会による閉鎖のようです。亀とうさぎとその他諸々がオリンピックの出場権をかけた戦いをしているとのこと。 仕方ないかと待つかまえになった時。 「我が道を塞ぐものなきなり。」 強肩チワワは無理に自転車で通ろうとしたので止められました。今作初めて喋った強肩チワワ。子役のような可愛らしい声が魅力的。子役の時代は綿埃の役で劇団指揮…いえ英断式?鶏卵遺棄?に所属していたとかしていなかったとか。 「ふむ。乗り物がならぬと言うか。…面白い。」 少年漫画の主人公のようなセリフに一同仰天。猿渡さんは驚いてカエルのマラカスを落としました。そして強肩チワワ。ふっと息を吐いてから 自転車ごと私達を担ぎ上げて全力疾走を開始しました。 「ちょ…強肩チワワ。揺れすぎ…て…ミックスジュースになっちまう。」 桃が慌てた声をだしますがお構いなし。人生見切り発車から貸してもらった着脱式リーゼンとで気分は番長。肩で暴風雨をきっています。 仕方がないので私はこの機会を利用して確定申告をすませましょう。流石に字がミミズが這いつくばって残したダイイングメッセージと化していますが、清書は人生見切り発車がするので問題ないでしょう。人生見切り発車はブーメラン検定3級なので、字が濃いのです。 おっと残念。人生見切り発車が自転車から落車。軽やかな着地の後にパンダに乗馬。お金を入れると動くタイプなのでカルパッチョを吊るしても前には進みませんよ。やっとのことで投入口に銀杏を入れると、ゆっくりと動き出しました。きっと追いつくのは192分かかるでしょう。投入するならグラブジャムンが王道でしょうに。これだからゆとりは。 猿渡さんが蛍の光をカスタネットで叩く中。 私は爽やかに手を振り、人生見切り発車と別れを惜しみました。
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