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しばらく走ると強肩チワワが先頭列に追いついた模様。ウサギと亀に並走しているとウサギはこちらを見たようです。
「Hey, where did you come from?(おい、お前らどこからやってきた?)」
困りました。英語圏のウサギだったとは。私はベラルーシ語とアフリカーン語しか満足に話せません。強肩チワワは波長を合わせないとノイズしか出てきませんから、残るは桃。
「おい。桃。なんか返事しな?そしてオーバーブロット決めてこい。」
「ジュースになりかけの桃に無茶言うな!
俺はMP(マダガスカル・ポイント)派だから、魔力は節約する環境とマダガスカルに優しい桃なんだよ。」
なにかほざいていますが、ネックレスの青い石を取り出した私に、ビクリと葉っぱを震わせました。
「それはもしかして…」
「自転車の下り坂で目に小さな虫が乱入してきたくらいの痛みを与える石さ。」
「目が、目がアアア!!!」
そもそも桃に目があったとは大発見。渋々桃は口を開きました。
「Please replace your molars with my ivy.」
(どうかあなたの奥歯と私の蔦を交換してください)
きっと通じたのでしょう。ウサギが笑顔です。そしてその数秒後必死の形相でウサギが走り出しました。その速さたるや2階建てのバスくらいでしょうか。これを喧嘩だと受け取った戦闘民族の末裔強肩チワワは、それを高額買取して追いかけっこが始まりました。完全に追い抜き、真っ白なゴールテープをハサミで切り落としたとき。
よく見れば、強肩チワワが光っています。
どこからか脳に鳴り響く声。
「―強肩チワワがレベル上昇により進化します。
只今より『強健チワワ』に進化……成功しました。」
先程から走っていたからでしょう。左肘に『とまと』と書いてあるタトゥーが浮かび上がりました。
後からやってきた亀が強健チワワを見上げます。
「Што здарылася! ??(どうなってやがんだ!?)」
亀、お前ベラルーシ語喋れるのか。
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