毎星高校生の2月14日

1/5
31人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 「はあ〜どうしようかなあ」  「さっきからずっとそう言ってるよね」  くるくると指で回していたシャーペンが飛んでノートの上に転がった。  机から身体を起こして椅子にもたれかかる。  朝になれば私を叩き起こす置き時計が、淡々と0時2分を指していた。  机から離れたせいで肘で押さえていた過去問がぱらぱらドンと、隙間なく閉じる。  今日は朝からみっちり勉強してたんだから、もういいだろう。  赤色の分厚い本は手強くて、再び開く気にはなれなかった。  「だって来週には二次試験だよ、迷惑じゃないかなあ」  「でもさ、一昨日だって図書室でふたり並んで勉強してたじゃん」  「えっ、なんで知ってるの?」  スタンドに立てかけてあるスマホの向こう側に、ニヤリとする顔が見える。  「スタ○ドで追っかけてから丸わかりよ」  「そんなことなんかに使ってないでさ、試験のときに使うとかすればいいじゃない?」  「ゆづ様はそんな不正なことはしませーん」  「はいはい」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!