また、いつか。

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俺がようやく落ち着いたのは、部屋がオレンジ色に染まる頃だった。 来た時は他人行儀に思えたこの家は、やっぱり慣れ親しんだばあちゃんの家で、でももう俺の知っている場所ではなかった。 俺は畳を拭いて、荷物をまとめてから部屋を出た。 「ありがとう、ばあちゃん。また、いつか」 その言葉は、部屋に吸い込まれて、それから消えていった。
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