胡蝶結

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胡蝶結

全くしょうがないわね、そんなに構って欲しかった? この蝶々さんの羽は今まで一番気にいる形していた。 長さも、色も、模様も、すごく綺麗。 黄色い蝶々さんと同じように、白い蝶々さんとたっぷり遊んだ。 世間はわたしのことを恐れていても、あなたたちだけはわたしの言うことを聞いて、いつまでも一緒にいてくれるから、とても嬉しいよ。 わたしは殆どの時間を蝶々と共に過ごした … 白い蝶々を捕まえてから三日後、生計のために死んじゃった青い蝶々の羽をいつものあの男に売りつけた。 コレクションを知らない人にあげるのはすごく辛い。これでもわたしが大事に集めていたものだから、手放すのは虚しいよ。 「はい!どうぞおじさん、今日の分だよ」 瓶を受け取った男は嬉しそうに、 「ありがとうお嬢ちゃん。今度これでご馳走させるよ」 とか言ってお店の中に持っていった。 また蝶々が減っちゃった … さて、新しい蝶々を探しに行かなくちゃっ! 行く道の途中、とある建物にある一つのポスターをチラ見した。 其処にはわたしが三日前に捕まえた白い蝶々が載っている。 「A子を探しています 身長約164㎝ 年齢20代前後 失踪当日の格好 白いワンピースに白いリボン」 ごめんね…?蝶々さん。蝶々がいないと生きていけないから。 
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