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ちらっと腕時計を見ると、時刻はもうそろそろでお昼休憩が終わる時間だった。このまま仕事に戻ろうか。いや、でもそれだと私はこの一日ずっと彼のことを気にかけてしまい、いくらカフェオレを飲んだからと言って、仕事に集中できない。それに、彼もきっと仕事に集中できないだろう。
「走るか」
私は回れ右をし、急いで自分の部署へと戻ると、財布とコートを持って外に出る。それから近くのコンビニに行き、運よく売ってあるカフェオレを手にすると、レジへと持って行った。そしてお金をきっちり払い、また会社へと走る。
学生の頃、持久走や駅伝などで走る理由がよく分からなかったが、こういう時に活用されるから走るのだろう。きっとそうだ。そんな訳も分からないことを考えながら、急いで社員証を翳し、休憩室へと向かう。
「いない……」
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