芹沢優子

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 私は息を切らしながら、休憩室の中に入ると、彼が座っていた椅子に座る。腕時計が示す時刻は、お昼休憩の終わりを差していて、そりゃそうかと私は自分の行動を笑った。見ず知らずの同じ会社で勤める社員に、わざわざカフェオレの罪悪感を無くすために、コンビニまで走ってカフェオレを買ってくる。普段の私なら、絶対にしないはずだ。  久しぶりにカフェオレを飲んだせいだろうか。カフェオレの甘さが、私を砂糖みたく、甘い思考にしてしまったのだろう。。  私は息を整えると、その場にカフェオレを置き、レシートの裏にペンで文字を書いて、カフェオレの下に敷いた。  そしてそのまま休憩室から出ると、ボサボサになった前髪を整えながら、自分の部署へと戻った。
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