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カフェオレ君
「カフェオレ君……」
俺は、机の上に置かれたメッセージを眺めながら、ぽつりと呟く。せっかく楽しみにしていたカフェオレが売り切れになっていて、それから搬入の時間はまだかまだかとウズウズしながら、1時間後に休憩室に行くと、机の上にぽつんと俺の大好きなカフェオレが置かれていた。
「カフェオレ君に、ごめんなさい。」と書かれた文字に、俺はくすりと笑うと絶対にあの女の人だろうなと推測する。俺が、変な声を出してしまったあまり、罪悪感を感じてしまったのだろうか。そうならば、本当に悪いことをしてしまった。
俺は冷え切ったカフェオレの缶のプルタブを開けると、体に流し込む。
「ああ、生き返ったー」
自動販売機を見ると、まだカフェオレのボタンは「売り切れ」と表示されているから、コンビニまで買いに行ってくれたのだろうか。
「申し訳無いな……」
俺は彼女が残してくれたメッセージを優しく撫でながら、残りのカフェオレをゆっくりと味わう。これで一日仕事が頑張れそうだ。
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