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21世紀も中ごろになってから、VRやARの技術が発展し、HMDやVRスーツを付ければ、まるでその場にいるような雰囲気が味わえるようになった。
SR(代替現実)のシステムも進化し、視覚や聴覚だけでなく触覚や嗅覚も再現も可能になった。そうした技術をフルに活用して作られた、現実と比べても遜色ない仮想空間のことをXR(クロスリアリティ)と呼ぶ。
現在では医療現場から建築現場まで、幅広い分野で利用されている。
ノスタルジストである僕の役目は、XRを使って過去の風景を再現することだった。
主に老人福祉施設やホスピスにいるクライアントに、無機質な病室ではなく、懐かしい家の中で最期を迎えてもらいたい。
XRを使ってそのサポートをすることが僕の主な仕事だ。
「年代ごとに得意不得意なんてあるの? 確かにファッションの流行や家電に違いがあるだろうけど、それは調べてしまえば分かることじゃない?」
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