𓌉◯𓇋 前菜 〜 イマジナリー 〜𓌉◯𓇋

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「ちょっとこっち手伝ってくれる?」 「スコアボードって第二体育館だよね」  朝早くから学校は大賑わい。係生徒含め生徒会が中心となって設営と運営を行う。そう今日は年に一度の体育祭だ。もちろん私も何日も前から準備をしてきた。それが良くも悪くも忙しく、放課後に残って資料作り、用具の確認と点検など社畜の如く働いた。おそらくこういう裏方の仕事をしたことがある人なら大変さが分かると思う。しかしそれも今日と明日で終わり。この体育祭を機に大体の部活動の三年生が引退する。辛いことも楽しいこともあったけど、こうして振り返ってみるとあっという間だったなぁ。 「ゆり、何ぼーっとしてるのよ、早くいくよー」  余韻に浸る暇すらなく、私はバインダーに挟んだタイムスケジュールに引っ張られていく。設営にマイクチェック、瞬く間に開会式の準備が進められた。もうそろそろ一般生徒が登校してくる時間。一旦教室に戻って遅めの朝食でも食べよかな。係生徒全員が教室に戻り、ホームルームまで時間を潰す。 「ゆりちゃんおはよ!お仕事お疲れ様」  彼女はクラスメイトであり私の親友だ。忘れっぽいのがたまに傷だけど、とても元気な子で一緒にいて居心地がいい。そして少し気になっていたんだが…… 「たけちゃん、今日パン食べながら学校来たでしょ」 「ほぇ!?何でわかったの?」 「口にジャムついてる……」  たけちゃんは口元を触り確かめる。多分いちごジャムだと思う、たけちゃんの顔も赤く熟れていた。見る人が見ればあざといけど、天然と言うか純粋と言うか。何にせよ愛されキャラである事には変わりはない。 「みんな席につけよー、ホームルーム始めるぞ」
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