プロローグ  父母ヶ浜

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私は腹を立てながらも、こんな子供じみた遊びを存分に楽しんでいた。これでは雪合戦ならぬ"砂合戦"だ。 私たちはまだまだ14・15歳の、"青春真っ盛り"の中学3年生なのである。高校入試の受験勉強は大事なことではあるが、それは人生の通過点に過ぎず、今の全てではない。このように級友とふざけ合うひとときも、たまには必要ではなかろうか。 だがこの時の私には、想像もできていなかった。今後待ち受けている、"災厄(さいやく)"のストーリーが、じわじわと近づいて来ているということは……。 これはこの笠折中学校で2ヶ月ちょっとの間で起きた、生と死、そして命について向き合う青春と感動の物語だ____。
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