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午後6時25分
被検体の平均帰宅時間、誤差内。
管理局より徒歩54分、築43年の集合住宅。
階段を2フロア分上り、左に曲がった廊下の手前1番目のドア。
手動ドアを開けると、被検体の親族――ユナ・エンドウが駆け寄ってくる。
「お兄ちゃん……おかえりなさい!」
「……ただいま」
ユナ・エンドウは顔を見るより早く両腕を胴に回した。
どうやらカイ・エンドウと認識している様子。このまま計画を実行する。
これはオフライン上におけるAIと肉体の親和性および有用性の検証を目的とする。
何より、私は、妹という存在を愛でてみたかった――
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