0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
冷たい冬。
防寒具を纏っていても、どこからか冷風が入って来て体が冷えてしまう今日この頃。寒いのが苦手な私ですが、今は手袋をしていません。
なんで寒がりなのに手袋していないのかって? それは彼氏と手を繋ぎたいからに決まってるじゃないですか。「手袋忘れたから、君の手で温めて?」作戦です。そこ、分かりやすいとか、少女漫画の読みすぎとか言わないで。
「高野くん、寒いね」
「うん、寒いね」
「あのね、高野くん。手袋忘れちゃったから、」
「じゃあ、これ使って」
高野くんはそう言って、自分のしていた手袋を外して私に渡してくれる。私は高野くんの好意に逆らえなくて「ありがとう」とそれを受け取り、指先を冷えから守った。
ちらりと高野くんを見てみると、ポッケに両手を突っ込んで無理やり暖をとったようだ。こんな風に優しいところが好きなんだけど、なんか残念。
彼はクールな性格で、こんな風に語る言葉は少ない。だけど、彼の態度に優しい温もりを感じる。そんな優しい彼の態度に興味を持って、見ていくうちに好きになって、先日付き合うことになったわけだけど。なんだか、うまくいっていない気がする。
最初のコメントを投稿しよう!