激戦

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自分の身に何が起こったのか理解するまで シオンはかなりの時間がかかった。 確かに攻撃したはずなのに…と。 突き抜ける衝撃で意識が飛んだのだろう、 しばらくして目を覚ます。 するとどうだ……、 強化パーツはバラバラに吹き飛んでいて 自分自身の可動域も損傷により 残っている首と胴体、手が武装ごと無くなった 片腕しか動かすことが出来ない。 隠し武器のデリンジャーなども壊れている。 それに…、 鋭い刃物のような切り口でズタズタになっていた。 「……えっ? …えっ? 私に、何が、どうなってるの…?  こ、こんなはずじゃ…なかったのに…!」 俺は無傷でシオンが傷を負い倒れている。 これが何を意味するのかは 優しい俺は丁寧に教えといてやった。 「俺が持ってたあの鉱石は リフレクト エメラルド。 受けたエネルギーを反射して そのまま相手に返す能力がある。 知り合いのメリエロに作ってもらった箱に 閉まっておくと効果は発動しないが 反射さえ出来てしまえば、 相手の攻撃力が強ければ強いほど 跳ね返す威力はその分だけ大きく作用する。 隙を見せたのもこの効果を誘うためだ。」 物語冒頭でチラッと説明しといたのが ここぞという時に役に立つ秘密兵器。 事前にコレが敵に知られると警戒されるからな、 一回使えば粉々に砕ける制限がある品物だが この戦いで成功してよかったよ。 シオンに近づいてから呟く。 「おしおきは…、これくらいにしとくわ。 これ以上はとどめになるからな。 君には帰ってレモネー銅を 用意するのを言葉通りに遂行してもらう。 そら、帰った帰った。」 シオンは苦笑いしながら返事を返す。 「私の完敗ね……。 レモネー銅は言われた通りに用意するけど、 両足が損傷による破損で全く機能しないのに どうやって帰れと。」 こまけぇこたぁどうでもいいんだよぉー。 あ、忘れるところだった。 素材、素材っと。 マグニムプロテクターを入手。 何ぃ、損傷してて帰れないだって?  そんな時のためのドローン。 世話が焼ける、こんがりと。 メリエロに直してもらえば 自分の足で帰れるだろろんっと。 事情をしたためた手紙を添えて 瀕死のシオンをメリエロのところに送った。 ドローン とは 無人航空機、いわゆる空中移動するラジコンね。
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