激戦

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「何…! 稀に見る変形ロボットだというのか! ただの雑魚ではなさそうだが、 我の拳の前では無力だということを知るがいい!」 ザムテスが加速しながら 拳を振り抜いたが、 クマクマ ナイトが先に素早く剣を交えて 攻撃を受ける前にしなやかに逸らす。 斬撃と振動、熱エネルギーが合わさった一撃が ようやく傷らしい傷を与えていた。 クマクマ ナイトに喋る機能は無いの、 ロボットだから指示された命令をこなすだけ。 誰かの動きをインプットしているのか トリッキーな動きでザムテスを翻弄する。 この動きは…、イオニルだ。 若かりし頃のイオニルの戦う動きを 忠実に再現しているロボット。 不利な状況なのに不利と感じさせない 鮮やかな立ち回り、戦う姿勢が敵の心を揺さぶる。 「ぬぬう、なんなのだコイツは! 見たことが無い動きで小賢しいぞ…!! ぬぅうりゃりゃりゃ!!!」 ザムテスの繰り出したラッシュを スレスレのギリギリで避け続けていき 反撃の手刀からの流れるような 剣筋はまるで隙が無い。 乱れ打つ斬撃でガンガン攻めていくと 「そこだ!」と言うのが聞こえそうな気がした。 ザムテスの重装甲のわずかな隙間を狙って クマクマ ナイトが紅熱血ブレードを突き刺す。 しかし、 「甘いぞ……、今の一撃は褒めてやるが 残念ながら致命打にはならん!」 剣先が抜けなくなった一瞬の間に入るパンチ。 マズイ、不味い、Mazui !! アタシはモニターごしで 小さく悲鳴を上げてしまった。 想定外のアクシデントで ピンチに陥るクマクマ ナイト! サドナちゃんの修復率は95%…。
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