激戦

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メリエロが再度、マイクで応答した。 『サドナちゃん、飛行ユニットの準備が出来たわ、 オート機能で動くみたいだから 研究所のシャッターを開けるわね!』 やっとだ、たった数分間が これほど長く感じたことはなかった。 数秒後には飛行ユニットが シャッターから出てきたので手早く装備が完了…。 間違いなく強くなったこの感じ。 追加装甲に強力な武装がいくつか。 高圧縮プラズマキャノンにライトマシンガン、 チャージングビームカノン砲が二つ。 こんなに強い武装でも被弾してしまい、 墜落したのには力があり過ぎたゆえの 慢心と油断があったからだ。 同じ轍は二度は踏まない、全力でカタをつけよう。 ザムテスは飛行ユニットを装備した私を見て 本能的な恐怖を感じたようだが、逃げ出さない。 「ひ、飛行ユニットだかなんだか知らないが そんな物々しいコケ脅しで屈する我ではない…! 我の強化パーツが負けるはずがないのだ!!」 力任せに突っ込んでくる。 三連ブラスターは飛行ユニットの装甲には 威力不足だからか思ったよりさほどでもない。 「私の高火力の攻撃が…いかほどのものか、 その身をもって味わえ! エネルギー充填済み、全弾、…発射!」 宇宙を漂う戦艦に風穴を開けたりする 威力の代物で集中砲火。 ザムテスの壊れかけていた ガーディング ヘラクレスアーマーに、 大破させるほどの損傷を与えて ボディごと焼き尽くす。 「な、なぜだ…。 もう少しで勝てたはずなのに、 こんな逆転負けをする… とは……。」 ザムテスはかろうじて生きていたが、 どう見ても戦闘不能で文字通り 頭が黒焦げのアフロになっていた。 「最初からコレを使ってれば…。 メリエロ、ごめんなさい。 私のせいで大切なロボットたちが……。」 『いいのよ、戦いに勝てれば結果オーライ。 壊れたってまた直せば大丈夫。 だから、そんなに気にしないで、ね?』 マイクを繋いだままだったのか。 あ、イオニルが到着しないままだが 上手く戦い抜けたから、…まぁ よしとする。 「了解した、…敵の撃破を確認。 飛行ユニットを解除、 研究所の死守に成功したので直ちに戻る。」 冷静に平然を装っているが 内心、焦りまくったのは内緒だ。 ちなみに素材は黒焦げで入手は出来なかった。
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