修理

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翌朝、 目が覚めてトイレに行ってから ふとサドナちゃんを見ると…、 いつもと様子がおかしかった。 膝を抱えたまま体育座り、 どこか目は虚ろで感情がなくなっている。 「ど、どうしたサドナちゃん? ……何かあったのか?」 サドナちゃんは俺に気づくと 何があったか話してくれた。 「…アスター博士から無線があった。 本部が 壊滅したって…。 宇宙にいた私の仲間達や建物は 敵のロボットからの襲撃で消え去ったそうだ。 博士は脱出ポッドの宇宙船で 難を逃れたらしいけど、行方不明に…。 帰る場所を失ってしまった…。 私はどうしたら…、どうしたらいいんだ……。」 悲しみに暮れる。 俺は何も言えなかった。 下手に刺激してしまうとさらに傷つく、 一人でそっとしておくのが一番いいだろう。 時間は流れて夕方、 メリエロから電話があった。 飛行ユニットが直った知らせだ。 良い知らせのはずだが間が悪い。 彼女にもサドナちゃんの事情を説明しておいた。 昨日までの雰囲気が台無しだ、 俺一人が悩んでもなんともならない。 こういうのは時間が解決してくれる。
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