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テニス部戦争 第三夜 みさこうの裏切り
オカダのしごきと、毎日のようにやられるケツラケット。こんなにお尻が痛い中学生活が訪れるとは。
オカダは、週に数回来ては部員をしごきまくり、それ以外は部員に任せるというスタンスをとっていました。
今、大人になって思うと、自分が悪者になって、あまりに膨れ上がったテニス部を部員たちだけで団結させる意図があったのかもしれません。
そんなことは1ミリも念頭に置かないダメダメ集団こと、でっこ軍団。
先輩たちの前ではしっかりとし、媚も売り、裏では陰口祭りを開催しておりました。
でっこ「オカダはストレス発散で俺らを叩きよう」
いわっちょ「オカダ、他の学校行きゃいいとに。それよりもんもが気に入らんばい」
みぞこ「いつになったらラケット野球できるとかいな」
チョロ「女子と合同練習まだやろうか(いまだ信じてるアホ)」
しゃも「痛い。もう辛い」
みさこう「お茶飲みたい」
こんな調子のでっこ軍団ですが、オカダがいない日の先輩たちの目を盗んでコソコソと遊んでおりました。
人の目を忍んで、デストラーデの真似をするでっこに爆笑する日々。
是非デストラーデで検索を。
そんなでっこ軍団にある日、悲劇が訪れることとなりました。
校庭の隅っこ。プール裏の草がぼうぼうと生える場所で、でっこ軍団は遊んでおりました。
遠くでテニスボールの弾ける音が響いております。掛け声も聞こえております。
プール裏では笑い声が響いております。
「デストラーデ!」
あひゃひゃひゃひゃ。
響き渡るでっこ軍団の笑い声。
「おい」
そんな最中、後ろからのお声変わりされた低音がわたしたちの耳に届きました。
プールの隅でもんもが壁にもたれ、わたしたちへ向けて腕を組み、睨み申しておりました。
固まるでっこ軍団。
見つかった。そんな見え見えの表情をしていたことでしょう。
もんもは前髪をかき上げて近寄ってきました。
「何しようとや、貴様ら」
固まるでっこ軍団。
でも、さすが軍団の名前を拝するだけあり、ここでついにでっこが一歩前に出ました。
ラケットを構え、大きく仰け反りながら左打者のフルスイングをかましたのです。
「デストラーデ!」
あひゃひゃ←わたしの笑い声
ぱああぁぁぁん!!
キレたもんもがでっこに強烈なサーブをお見舞いしました。
「殺すぞ、お前ら」
連行されるでっこ軍団。
でっこは頬に受けたもんものサーブの威力でHPが残り12という瀕死状態であります。ホイミかケアルをかけないと死んでしまいます。
「連れてきました」
もんもに首根っこを掴まれるわたし。
猫みたいでした。
♪猫になったんだよーな、君は♪
DISH//より
部員の前で佇むでっこ軍団。
優しい山口部長がさすがに怒っていました。
「練習はちゃんとせえよ!」
「「「「「はい」」」」」
しょぼん。
天日干しされたイワシのようなでっこ軍団。
そして、明らかにまだ苛立っているもんも。
ここまでなら、まだ事件とは言えません。
ここでやってきたのです。
魔王、オカダ。
「おぉい、何や。何かあったとか?」
まずい!
でっこ軍団に走る緊張。
なんて言うんですか、緊張感。
↑DA PUMPの歌詞より抜粋 Feerin'Goodより
でっこ軍団はすがるような目線を山口部長に送りました。
堪忍しておくれやす( ;∀;)
そのどうしようもないでっこ軍団の目線を山口部長はなんと受け止めてくれたのです。
や、やさすぃ。
ノーベル平和賞を贈りたい。
「大丈夫です」
その言葉の真偽を確かめるように、山口部長へ睨みを利かすオカダ。
数秒の沈黙。
オカダがまあいいかとなりそうな、その時でした。
「こいつらが野球して遊んでました」
なんとぉぉぉぉっっっ( ̄□ ̄;)!!
もんもがオカダへ敏腕検事のごとく告げたのです。
突然に高熱を発して汗まみれになるでっこ軍団。
「ああん? おいっ、野球しとったやつ、出てこい!」
部員たちの目が一斉にこちらを向きました。
ダメだ、逃げられん。
観念するでっこ軍団。
でっこ……いわっちょ……みぞこ……わたし……足取りが重すぎるしゃも……。
「お前ら、ええ加減にせえよ」
魔王、オカダ。ゲージ満タンです。
わたしたちは、今からものすごいコンボで処刑されるのだ。
注釈:もともとここに太鼓の達人どんちゃんの画像ありました。
フルコンボだドン
ん?
あれ?
ん?
でっこ軍団は気づきました。
処刑台にみさこうがいない。
対岸には、処刑を見守るテニス部員たち。何故か、そこにみさこうの姿が。目を合わせようとしますが、みさこうは何故かグラウンドの土を見ております。こちらと目を合わせようとしません。
バ、バカな( ̄□ ̄;)!!
漫画でしか見たことない台詞を叫びそうになるでっこ軍団。
「おい、ケツ出せぇっ!」
ま、待って、お代官様。罪人はもう一人おるとですたい。
パアアアアアアアン!
パアアアアアアアン!
パアアアアアアアン!
パアアアアアアアン!
パアアアアアアアン!
ケツラケットの音が高らかに5回響き渡りました。
ちなみに、このケツラケット、大晦日のガキ使のやつと思ってください。
痛さと裏切りで涙目のでっこ軍団。
帰り道、さすがにみんな黙っていました。とても気まずすぎたのか、みさこうは先に帰ってしまったのです。
翌日、しゃもが泣きながらみさこうを責めました。おそらくみさこうは一晩中、どのように言い訳するか考えたのでしょう。
その言い訳がこちら↓
「ごめん、忘れとった」(顔はてへぺろ)
んな、アホな。
結局、わだかまりもなく、でっこ軍団はそれからも目を盗んではみんなで遊びまくるのでした(・∀・)
第三夜おしまい。
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