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「わ…私達のこと……も……?」
「だって、あなた達だって好きでここに来た訳じゃないでしょう……?出れるなら出たいでしょ?家族の元に帰れるなら…帰りたいでしょ……!?」
トイプードルの瞳は真剣だった……。
周りの犬達は馬鹿らしいとそっぽを向き始めたが…それでも暫くトイプードルは気持ちを訴え続けた……!
「プッフゥ…クックックッ……」
「だ、大丈夫ですか……!?」
「いや…今のは咳じゃない……」
「え…?」
こんなバカな奴なんているんだ。
私はこの状況に陥ってすぐ諦めたのに…こんな奴もいるんだ……。
「ねぇ…私も、さ…諦めなくてもいいかな……?」
「と、当然です……!」
「そうだね…諦めないよ…私も出たい。ここから…少しでも出たいよ……」
「はい!その意気ですよっ!」
「ふふ、あなた…名前ある……?」
「は、はい!柚子吉です……!」
「ゆずきち……?男の子だったの……?」
「いいえ、女の子です!」
「お、女の子なのに……きち?何か…その……残念ね……」
「そうですか?気に入ってるんですけど…あ、あなたは……?」
「林檎…」
「りんご…さん ですね!」
「そ、宜しくね…」
「はい……!」
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