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白い箱に入れられた私は、大きな荷物と一緒に運ばれて…強制的に私の知らない世界へと連れられて行った。
『ほら、着いたよ』
『ふふ…今日からここがあなたのお家よ』
箱から出された私は見たこともない大きな部屋に連れてこられた。
「ここは…何処?」
私は小さな声で聞いてみたけど…人間達は私を見て笑ってるだけ。
「どうしよう…どうしたらいいんだろ……」
知ってる子も、仲良くなった子も、ご飯をくれる人もいない…。
「こわいよ。こわいよー…」
私はプルプルと震える事しか出来なかった。
けど…恐かったのはその日だけだった。
それ以降は私を溺愛するかのように、その人間達は私に愛情を注いでくれた。
お母さんが私を生んで、優しく寄り添ってくれていたようにこの人間達からも同じ匂いがしたの。
気付いたら…私はやんちゃになっていた。
遊び好きで甘えん坊で、食いしん坊で…すごく世話のかかる子になっていたかもしれない。
それでも…この人間達は変わらぬ愛情を注いでくれた。
私はこの家ではお姫様なんだと思った。
何をしても許されるんだっ!と思った。
益々私の欲求はエスカレートしていく…そんなお姫様な日常が当たり前になっていたある日。
人間達は騒がしくなって…異変が起きたみたいなの。
私の家に人間が一人増えた。
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