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その人間は私くらい小さいのだけれど五月蝿くて、私よりも手が掛かるみたいだった。お姫様な私よりも、人間達はそっちばかり気にしだした。
「なんでかまってくれないのっ!」
「お腹減った!」
「私はお姫様よっ?」
私の欲求は変わらずエスカレートしていく―――そんなある日。
私は一人の人間に殴られた。
「なにするのっ!痛いじゃないっ!」
私は怒った。
殴られたら誰でも怒るのは当然でしょ……?
痛いもの。
そしたら…また殴られた。
構ってくれるどころか、ご飯もくれなくなった。
「お腹減ったよーご飯、ご飯っ!」
私はそれを伝えると…殴られた。
「なんで…そんなことするの……?私はお姫様じゃないの……?」
私は小さな人間が来てから、あの人の人達の態度が冷たく変わってしまった事に薄々気付き始めた……そんなある日、チャンスが来た。
部屋には私と小さな人間の二人だけ。
小さな人間は何時ものように私よりも大きな声で泣き始める。
「もぉ~…五月蝿いわね」
私はその声に、その存在に苛つきを抑えられなかった…だから。
だから近付いたの…その小さな人間に。
「あなたどうしたのよ?そんなに騒いで…」
『ぎゃあぁぁぁあんぎゃあぁぁぁぁ…!』
「五月蝿いわね…もう静かになさい?」
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