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私はチワワとしてこの世に生を受けた。
私は赤子の時、親元を離れ…小さい部屋で暮らしていた。
決まった時間にご飯が来て、決まった時間に部屋が明るくなったり暗くなったり。
他にもいっぱい友達がいる場所に数ヶ月いたの。
でもそこは、私たち犬とは違って人間という私達よりも大きな生き物がよく出入りする場所で…知ってる子や、仲良くなった子を何処かに連れて行ってしまう場所だったの。
だから私は不安だった。
あの子達は何処に行ってしまったんだろう…私もいつかここではない場所に連れて行かれてしまうのかなって恐くなった。
それが原因で私は…感情を表現するのが苦手な性格になった。
そんなある日。
二人組の人間が現れた。
私は不安で恐くて、その人達をチラリとしか見れなかった。
けど、これで良いと思っていた。
だって元気な子達は、何処か別の場所に連れて行かれてしまうから……。
だから、私は沈黙を貫き通した。
こうしていれば私は選ばれない。
安心だって思っていた。
思っていたのに……。
『この子にします』
その二人組の人間は私を選んだ。
そして…その日のうちに私を連れていったの……。
恐くて不安で圧し殺されそうだった……。
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