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私
私はずっと待っていたんだよ。
君の帰りを。
君は今日、なんの予定もないからすぐに帰ってくるはずが、何時もより一時間ほど遅かったね。
いつもカレンダー通りの、几帳面な君にしては珍しいと思ったよ。
だけど理由はすぐにわかった。
何時もの時間以外でお風呂を入れるなんて、君らしくないと思ったけど突然の雨だったんだね。
ちゃんと、教えてくれてありがとう。
だけど雨に文句を言う君もかわいいな。
体が冷えているだろうから早くお風呂に浸かって暖めないと、風邪をひいてしまうよ?
私も、すぐにでも君を暖めてあげられるよ。
それなのに。
君はなぜ早くお風呂に入らないんだ。
お風呂が沸いたと音楽が鳴っただろう?
私もずっとここにいるのは苦しいし、顔を上に向けているのはもう辛いんだ。
だけど、このお風呂はとても良い匂いがするね。
君に包まれているように、頭がボーッとしてるよ。
君を想うのも、そろそろ限界を迎えそうなんだ。
はやくきて、わたしをひやしてくれないかーー
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