1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

 私はずっと待っていたんだよ。    君の帰りを。  君は今日、なんの予定もないからすぐに帰ってくるはずが、何時もより一時間ほど遅かったね。  いつもカレンダー通りの、几帳面な君にしては珍しいと思ったよ。  だけど理由はすぐにわかった。  何時もの時間以外でお風呂を入れるなんて、君らしくないと思ったけど突然の雨だったんだね。  ちゃんと、教えてくれてありがとう。  だけど雨に文句を言う君もかわいいな。  体が冷えているだろうから早くお風呂に浸かって暖めないと、風邪をひいてしまうよ?  私も、すぐにでも君を暖めてあげられるよ。  それなのに。  君はなぜ早くお風呂に入らないんだ。  お風呂が沸いたと音楽が鳴っただろう?  私もずっとここにいるのは苦しいし、顔を上に向けているのはもう辛いんだ。  だけど、このお風呂はとても良い匂いがするね。  君に包まれているように、頭がボーッとしてるよ。  君を想うのも、そろそろ限界を迎えそうなんだ。  はやくきて、わたしをひやしてくれないかーー 
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!