【 第六話: 岬を助けて! 】

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『キキーッ!!』 「岬ちゃん、学校着いたよ」 「ありがとう、時夢くん」  私が自転車の後部座席から降りると、時夢くんが突然こんなことを聞いてきた。 「岬ちゃん、今日部活何時に終わるの?」 「今日は、12時に終わる」 「じゃあ、12時なったら、また迎えに来るね」 「ありがとう、時夢くん」 「お昼ご飯食べた後、何か用事ある?」 「えっ? べ、別にその後は特に用事はないけど……」 「じゃあさ、面白い場所があるのを見つけたから、一緒にそこに行かない?」 「えっ? (こ、これって、まさか、デ、デートのお誘いかな……?)」  私が口元に手をやりながら、モジモジしていると、彼が胸ポケットから何やら紙切れを2枚取り出し、ヒラヒラさせる。 「丁度、このチケットが2枚あるから、岬ちゃん、どうかなって思って」 「い、い、行きます……! (やったぁーっ! やっぱりデートだーっ!)」  彼は自転車を私に手渡すと、やさしい笑顔で手を振りながらこう言う。 「よかった。じゃあ、また12時に迎えに来るね。それじゃあ」 「うん、バイバイ……、時夢くん……」  私はしばらく呆然としていた。  男の人から今まで、そんなお誘いを受けたことがなかったから、体に力が入らなくなっちゃった……。  彼の走り去る後姿を見ながら、私は力なく、手を振っていた。 「ふにゃふにゃふにゃ……、ウソら……、これって、夢なんらね……。ふにゃふにゃふにゃ~……」 『キキーッ!』  そこへ加奈が到着すると、私の顔を見てビックリした様子。 「岬、どうしたの? 何か顔にしまりがないんだけど……」 「あぁ、加奈……、れんきらったぁ~……」 「な、何言ってんだか全然分からないんだけど……」 「ふにゃふにゃふにゃ~……」 「何があった? 一体……」
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