【 第六話: 岬を助けて! 】

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 すると、外から彼の呼ぶ声がしてきた。 「岬ちゃーん」 (あっ、もう、時夢くん来ちゃった! やばいっ!) 「あれっ? 岬、何か背の高い男の子が、岬のことを呼んでるわよ」 「あ、ママ、大勢で、クラスのみんなで、どこか行こうっていうことになってるんだ……」 「そうなの? 帰りは遅くなるの?」 「う、うん。ちょっとだけ、遅くなるかも……」 「そう、気をつけて行って来なさいよ」 「わ、分かった……。じゃあ、ママ行ってきま~す!」  私は着替える間もなく、制服のまま、彼の元へ行った。  幸いなことに、彼も制服のまま。 (あ、良かった……。時夢くんも制服のままだ……) 「じゃあ、岬ちゃん行こうか。また僕が自転車漕ぐから、岬ちゃんは後ろに乗って」 「う、うん!」  私は、どこへ連れて行ってくれるんだろうと思いながら、彼の背中にしがみ付いていた。  胸の『ドキドキ』が止まらない!  胸の鼓動の一つ一つが、彼に直接伝わっちゃうんじゃないかと思うほど、私は胸高鳴っていた。 『シャーーーーッ』 「と、ところで、時夢くん」 「なあに、岬ちゃん」 「こ、これからどこに行くの?」 「なんか、新しく出来たところみたいなんだけど、チケットが丁度2枚手に入ったから、岬ちゃんを誘ってみたんだ」 「そ、そうなんだ……。そこまでは遠いの?」 「学校よりかは遠いけど、飛ばしていくから30分くらいかな」 「そ、そう……」 「さあ、岬ちゃん。全速力で行くから、しっかり掴まって!」 「う、うん!」  振り落とされないように、彼にしっかりと密着出来るから、こういう状況はむしろ大歓迎だ。  私は彼の背中を抱きしめながら、ずっと笑顔が絶えなかった。
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