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「へぇ。買い物が好きなんだ。普段から、服とかたくさん買うの?」
お互いの趣味の話になった。
ふと、モニタに目をやると、彼女からウェブサイトのURLが送られてきた。クリックしてみると、オンラインショップが表示され、そこでは高そうなバッグが販売されていた。
「オシャレなバッグだね! 加奈子サンにピッタリだと思うよ!」
気に入られたくて、声を張り上げる。彼女も嬉しそうだ。しかし、急に彼女は黙ってしまった。
「どうしたの……?」
モジモジした彼女。何か言いたそうだ。
「あっ!」
僕は気づいた。彼女がこのURLを送ってきた理由。きっとこのバッグをプレゼントして欲しいんだ。女性経験の少ない自分の鈍感さが恥ずかしくなった。
でも――まだオンラインで出会ったばかりの女性にこんな高級なバッグを? 戸惑いはしたが、彼女を喜ばせたい気持ちが一人歩きし、気づけば購入ボタンをクリックしていた。
「ありがとう!」
予想以上に彼女は喜んでくれた。オンラインパーティーって、最高じゃないか! 彼女との会話を終えるのがどれほど寂しかったか。ただ、次もオンラインで会う約束ができた。興奮さめやらぬまま、その日は眠りについた。
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